高齢者専用分譲住宅
池田 賢一 さん
 

 ヴィラ・コモン南山手にて(長崎市南山手町)
  



長崎県庁の設計会社に決まったり、障害者福祉のほうにも理解 があり、社会福祉法人を経営している池田賢一さんが、今度は 「高齢者専用住宅」を作りました。
同級生のキミコさん(仮名)は「これからもっと高齢になり、自宅で 倒れて誰にも気づかれなかったり、病気をして動けなくなったりし たらとても不安!」ということで、このような高齢者専用住宅に興 味があり、是非見学したいということで、管理人とともに池田さん に案内してもらうことになりました。



その新しいマンションは、グラーバー園のすぐそばにある少し高台 の眺めのいい場所です。
見学の日、長崎は大雨洪水警報が出ていて、ものすごい荒れた 空模様でした。
約束は午前11時。「この雨では家から出られないかな!」と思っ ていたら、私の普段の行いがいいからなのか、10時頃うそのよう に青空になりました。
当日は、朝から池田さんはテレビ局の取材を受けていらしたようで す。
この住宅は、国土交通省 高齢者等居住安定化推進事業のモデ ル事業として採択されました。全国で7件認定された事業の一つ なんだそうです。
これだけでもすごいですよね!
4月初めに完成したばかりで、入居者はまだいらっしゃいません。

可動式のクローゼット
最初に見せていただいたのが40u以下の1LDKの部屋。

管理人は一戸建てに住んでいるんですね。年々、住んでいる家族 が少なくなって今は二人です。部屋も余って贅沢に使っています。
そういう私が38.35uの部屋ってどうなんだろうと思っていました。
でも拝見してみて、一人なら、持ち物も必要最小限にしたら結構 いいかもと思いました。

ここは、部屋の真ん中にキャスターつきのクローゼットが置いてあ りました。これがあると、玄関を開けてすぐベッドが見えることがな くて、いいみたいです。
他にもいろいろなタイプの部屋があり70〜80uぐらいになると、広 いなあと思える感じでした。住居は全部で24戸。
もちろんすべての部屋がバリアフリー、玄関から居室へも全く段差 なしです。
2階から4階が高齢者用住宅ですが、眼下に長崎港が見え、真正 面が稲佐山です。
夏は居ながらにして、花火を楽しめますね。
ここに入居される方とお友達になりたいものです。



■検証■ キミコさんの要望に応えられたのか!!

●緊急時において警備保障会社が24時間対応しています。
部屋に入ったらまず「在宅」 というボタンを押します。
この動作をしないで、窓を開 けると「不法侵入者あり」 判断してセコムが飛んでく るそうです。

●いざというとき、電話もかけられないことありますよね。
入居者には首から下げられるタイプの非常ボタンが貸与されま す。
もし浴室とかトイレで倒れて、このボタンを押したら、まずセコムか ら「どうしましたか?」と聞いてきます。
5分たっても応答がなければ、警備会社が駆けつけてきます。

●マンションへのエントランスにコンシェルジュが24時間待機して います。
1.マンション管理組合運営の代行(高齢になると管理組合の運営 は負担に感じます。)
2.買い物代行
このマンションは自家用車を持たない生活を提案しています。
少し高台なので、買い物はだんだん負担になってきます。
そこで買い物の代行をやってくれるそうです。
3.声かけサービス
居住者の要望に応じ1日に数回「お元気ですか?」という声かけを してくれます。ただし、必要のない方にはやりません。
4.ごみ出し代行サービス
ごみさえも自分で出せない日がやがて来るんですよ!
5.その他

●体調不良になったり、だんだん動けなくなったら
コンシェルジュが往診の手配、訪問リハビリの手配をやってくれま す。また、この建物のエレベーターはストレッチャーがそのまま入 る長さです。
市民病院が車で5分のところにあります。
●床暖房標準装備です。
リビングの一部と洗面室は床暖房が全室装備されています。
入浴時の事故を防ぐための配慮です。

●車椅子の生活は可能?
建物すべてバリアフリーです。
キッチンは流し台の下が車椅子が入れるように開けてあり、洗面 台の下にもあえて収納は作ってありません。
また、洗面室とトイレは同じスペースで車椅子が回転可能です
浴室は少し狭いので、車椅子では無理かなという感じでした。

●食事が作れなくなったら?また、作りたくない日は?
1階に40席ほどのレストランがあります。
見学させていただいた日はまだ残念ながら営業してなくて、お茶 だけいただきました。
ここは観光客など一般の方も利用できますが、入居者も利用可能 です。(3食食べられるそうです。)
また、給食配達サービスなども受けられるそうです。
壁には池田さん所有のレコードが飾ってありました。



普通のマンションは完成前にモデルルームを作って、売り出します。
でもこのマンションは通常とは少し違うので、興味のある方に丁寧に説明をしてよさを知っていただきたいと池田さんはおっしゃっています。
さあ、キミコさんは近い将来のことを考えて、新しい生活に踏み出すのでしょうか?

1階にはその他に「きずなショップ」、「児童デイサービス(障害のある子供向け)」、24戸分の「トランクルーム」があります。
池田さんは社会福祉法人「出島福祉村」の理事長でもありますので、常に障害者の雇用の場を考えていらっしゃいます。
ここの「きずなショップ」では以前に紹介しました、びわ茶やジャムなどを扱い、清掃や加工場などにも障害者を雇用するそうです。
「65歳になっても走り続けています!」とおっしゃっていますが、頑張ってほしいですね。








  



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