サトウキビかすなどを発酵させて作るアルコールの一種「バイオエタノー
ル」が、ガソリンの代替燃料として注目を集めているが、原料となる穀物の
価格高騰を招くなどの問題も発生。国内では食用との競合を避け、海に囲
まれた日本の特性を生かし、ホンダワラなどの海藻類をバイオ燃料の原料
として活用する研究が始まっている。原料の海藻類を栽培することで、海洋
浄化の効果も期待できるという。
県内でも調査・研究に取り組もうと、長崎総科大産学官連携コーディネータ
ーの山中孝友客員教授を中心に、同大や長崎大、大村湾漁協、バイオ燃料
の事業化に取り組む「ジェイ・エヌ・シー」(佐世保市)などの関係者が同研
究会を立ち上げた。当面は大村湾を主体に海藻類の調査・研究や酵素の開
発を進め、三年後の試験製造を目指している。
会長に就任した山中教授は「海藻を構成する成分の九割は水分で処理効
率などに課題もあるが、化石燃料が枯渇しつつある中、食用と競合しない海
洋資源に着目し、海洋浄化につながる取り組み。夢の実現に向け、強力に
推進していきたい」と抱負を語った。
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海藻類を原料にバイオ燃料実用化の可能性を探る
研究会の設立総会=時津町浦郷、大村湾漁協
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