世界の美術館を観て歩けば-3
       
 私の好きな建築家にアントニオ・ガウディがいる。

 彼の代表作サクラダ・ファミリア聖堂は サン・ ホセ帰依者協会として1882年に着工 し、1883年からガウディに引き継がれ、すで に138年経っている。
 この独特のガウデイ建築は300年かかると言われていた。 そもそも建築に時間がかかると 言われていたのは、たった1枚のスケッチのみからのスタートだったからだ。その後、近年のIT 技術によるコンピューターや3Dプリンターによる設計技術が進んできたため後期が短縮され、 現在ガウデイ没後100年の2026年の完成と発表されている

アントニオ・ガウディは19〜20世紀の最も特異で偉大な建築家として知られている。
幼い頃から生物や海の波打ちなど自然に関する観察力に長け、バルセロナの建築学校を出た 後、1926年74歳の時、路面電車に轢かれ亡くなるまで想像力豊かでユニークな建築物を残 している。

一方、マドリッドのソフィア王妃芸術センターに展示してある、パブロ・ピカソ『ゲルニカ』 は戦争の悲惨さを描いた大作として有名だが、そのインパクトは計り知れないものがある。

今回は、スペイン4都市とドイツ2都市の10施設を紹介します。

世の中落ち着いて、海外旅行が安心して行けるようになったら・・・
参考にしていただければ幸いです。
                            2020.05    上原 寛一郎
 


都 市
名   称
U R L
スペイン
マドリッド
23
プラド美術館
24
ソフィア王妃芸術センター www.museoreinasofia.es
バルセロナ
25
サクラダ・ファミリア聖堂 www.sagradafamilia.cat
26
ミロ美術館 www.fundaciomoro-bcn.org/
グラナダ
27
アルハンブラ宮殿 www.alhambradegranada.org
マラガ
28 ピカソの生家 www:fundacionpicasso.malaga.eu/
ビルバオ
29 ビルバオ・グッゲンハイム美術館 www.bistroguggenheimbilbao.com



23、プラド美術館 Mused Nacional del Prado 
マドリッドにあるスペイン王室の美術コレクションを中心に3万点の絵画や彫刻を所蔵。
12〜19世紀の作品が主でエル・グレコの『牛飼いの礼拝』、ベラクレスの『ラス・メーナス』*右下、ゴヤの 『衣装のマハ』『裸のマハ』*中央上の3代巨匠の絵画は必見。
このスペイン絵画の殿堂は自然光も降り注ぎ居心地の良い美術館である。まずはマドリッドに行ったらこの美 術館は外せない。

24、ソフィア王妃美術館 Museo Nacional Centro de Arte Sofia 
主に20世紀の現代アートを展示。ピカソ、ダリ、ミロなどの現代美術の巨匠の作品が集められている。その中 でもピカソの『ゲルニカ』*左がある。1937年のスペイン、バスク地方の小さな町ゲルニカがドイツ軍によって 爆撃された。その戦争で多くの死者が出た怒りと生命の尊重を世界中にアピールしている作品である。私もこ の『ゲルニカ』は以前か出会いたかった作品で、その迫力には圧倒された。常にこの作品の前には人が絶え ない。
 
25、サクラダ・ファミリア聖堂 Sagrada Familia
今から30年前、1990年初めてバルセロナを訪れた時、真っ先に彼の作品のサクラダ・ファミリア聖堂とグエ ル公園に向かった。サクラダ・ファミリア聖堂の第一印象は、地面からの石の固まりと奇妙な塔が、例えよう のないインパクトを感じた。当時、塔はかなり建っていたが、建物の周りと内部は建築現場そのもので、コンク リート・ミキサーが回っていた。それから2005年、2010年 と3回訪れた。2回目からは塔の上までエレベ ーターで登れ、外装工事の状況やバルセロナ市内が見渡せた。3回目に訪れた時は塔の内部はかなり出来 上がってはいたが、工事は進行中であった。*右側の写真は同じアントニオ・ガウディ作のグエル公園入り口 の建物の前での1990年3月撮影の1枚。

26、ミロ美術館 Fundacion Joan Miro 
バルセロナのモンジュイックの丘の上にミロ美術館はある。風光明媚でバルセロナ市内が見渡せる自然光が 差し込む明るい美術館である。バルセロナ生まれのジョアン・ミロは自由で明るい色彩の抽象絵画や彫刻で 有名な現代画家の巨匠。館内はゆったりとしていて室内のみならず、屋外にも彫刻が多く展示されバルセロ ナの明るい青空の下、人気のスポットである。以前、バルセロナ・オリンピックの2年前に訪れたが、のんびり 楽しむには持って付けの美術館である。美術館に行くには地下鉄パラ・レル駅からモンジェイックの丘までフ ニクラ(ケーブルカー)で3分。

27、アルハンブラ宮殿 Palacio de La Alhambra 
アンダルシア地方グラナダと言えば、イスラム教の最高傑作アルハンブラ宮殿が有名。市内丘の上に存在す るこの宮殿は歴代ナスル朝王により築城したが、1492年カトリック女王イザベルに城を明け渡し、その後18 世紀の王位継承戦争やナポレオン戦争を経て荒れ果てたが、19世紀の米国人作家ワシントン・アービング の小説「アルハンブラ物語」で再び世界の注目の観光地となった。ナスル宮殿*左下3枚は幻想的な水面に 映し出されるコマレスの塔と鍾乳石の彫物が施された天井など眼を見張る装飾だ。宮殿からはアルバイシン (グラナダ最古の街並み)*右下1枚が見渡せる。



28、ピカソの生家 Casa Natal de Picasso 
パブロ・ピカソは1881年にマラガで生まれ、ここで10歳まで過ごした。建物の内部にはピカソの父の油絵や ピカソの衣装、家具、写真などが展示してある。生家の向かいにはピカソの少々時代の遊び場である鳩が群 がるメルセー広場があり、ブロンズ像がベンチに座っている。また、公園の脇のビルの壁面にはピカソの壁画 が絵が描かれている。
  
29、ビルバオ・グッゲンハイム美術館 Museo Guggenheim 
スペイン、バスク地方の町ビルバオは、かっては鉄鋼、造船の町として栄えていた。しかし20世紀末になると 重工業が衰退し、その打開策としてアートの町として生まれ変わった。その代表が、造船所のあった川岸に1 997年開館のアメリカ人建築家フランク・ゲイリーによる前衛的な建物のグッゲンハイム美術館である。美術 館前広場には小花で覆われたアメリカ人アーティスト、ジェフ・クイーンの作「パピー」*左と、川沿い広場には フランス出身の女性彫刻家ルイーズ・ブルジョワ作の蜘蛛のオブジェ「ママン」*右上などが展示されている。 この作品は東京・六本木ヒルズの広場にも有り世界中に9体展示されている。また、館内にはマター・オブ・タ イムと言う数百トンの鉄のオブジェ*右下が展示され大迫力だ。ちなみにビルバオ・グッケンハイム美術館は ニューヨークのグッケンハイム美術館の別館。ダイナミックで親しみの湧く美術館だ。

















都 市
No
名   称
U R L
ドイツ
ドレスデン
30 アルテ・マイスター絵画館 www.skd.museum
31 ツヴィンガー宮殿陶磁器コレクション www.skd.museum
ザイフェン
32 おもちゃ博物館 www.spielzeugmuseum-siffen.de


30、アルテ・マイスター絵画館 
Gemaldegalerie Alte Meister  
アルテ・マイスター絵画館はドイツ、ドレスデンのツヴィンガー宮殿西翼に有る。デューラーの「エジプトへの逃 避』*中央やレンブラントの「酒場の放蕩息子に扮するレンブラントとサスキア」*右、他にヘェルメールやル ーベンスの絵画など14世紀から18世紀のヨーロッパ絵画を多くコレクションしている。宮殿はバロック建築の 精華を伝える建物で、絵画館はルネサンスの宮殿様式で出来ていて館内は落ち着いた雰囲気である。


31、ツヴィンガー宮殿陶磁器コレクション
Zwinger Porzellansammlung 
同じくツヴィンガー宮殿内にある世界最大級の陶磁器コレクションには18〜19世紀の中国や日本の陶磁器 をはじめ、巨大で立派なマイセンの歴史的名品や有田焼*左下の柿右衛門の名品などが多数展示されてい る。物によっては派手に見える有田焼も華麗なバロック宮殿に陳列されると不思議と馴染んでいる。天井まで の陶器は地震国日本では考えられない展示で迫力満点。また、近くのドレスデン城の外壁には壁画マイセン のタイルで「君主の行列」*右下が描かれている。


32、おもちゃ博物館 Spielzeugmuseum 
ザイフェンにあるおもちゃ博物館はドレスデンから電車とバスを乗り継いで約3時間。チェコとの国境にほど近 いザクセン州エルツ山脈の尾根に位置する。ザイフエンはメルヘンの絵本から抜け出したかのような、木工の おもちゃ作りが盛んな小さな村である。博物館の館内に入ると展示室中央には大きな木で組み上がった「クリ スマス・ピラミッド」*右下が迎え入れてくれる。ほかに歴史的なパイプ人形やくるみ割り人形などが展示して ある。また、クリスマス時期の村の冬景色を表したジオラマ*左上や昔の工房*左下を再現した展示があ る。世界でも類を見ない可愛いいおもちゃ博物館である。1年のうちで最も輝くのはクリスマスの時期で、日が 暮れると建物の窓からクリスマス・デコレーションの暖かな光が浮かび上がる。










  



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